「私は、文字による恐怖を甘く見ていた。」
今回私が手に取ったのは、著者・夢見里龍氏による一冊、『奇妙な家についての注意喚起』だ。
先日、仕事帰りにふらりと立ち寄った書店。実用書や文芸書が並ぶ穏やかな空間で、その本は異質な気配を放ち、私の目に止まった。
その時はまだ、私は「お化け屋敷のプロ(自称)」としての余裕に満ちていた。
タイトルだけ見れば、不動産トラブルへの対策本か、あるいは建築上の構造を指摘する実用書のようにも見える。しかし、その中身は「論理」という皮を被った、純度100%の悪夢だったのだ。
設計図から漏れ出す「違和感」の正体
私は、あくまで建築学的、あるいは間取りの合理性を分析する「プロ(自称)」の視点で読み始めた。
だが、ページをめくるごとに、夢見里氏の筆致は私の「論理」を侵食していく。 「意味不明な空間」。それは、物理的な欠陥などではなく、「そこに何かがいなければ説明がつかない」という、逆説的な恐怖の証明だった。
深夜2時、私を襲った「共鳴」
夢見里氏が描き出す冷徹な世界観は、私の「自称プロ」としての防衛線をいとも簡単に突き破り、抗えないほどの没入感で私を引き込んでいった。
気づけば私の感覚はバグを起こし、現実と本の中の世界がリンクし始めている。背後のクローゼットの暗がりさえ、その不穏な空気感に侵食されているかのように感じてしまったのだ。
「私は今、ただの文字を読んでいるのではない。この読書という行為を通じて、安全なはずの自室を、取り返しのつかない『注意喚起の対象』へと書き換えてしまっているのだ。」
「本棚・最上階」への物理的封印
私は、音を立てないように、しかし最速のスピードで本を閉じた。
本来なら本棚に美しく収めるのが愛書家のマナーだが、今の私にそんな余裕はない。視界に入るだけで、部屋の角に「何か」が確定してしまう恐怖。
私は震える手で本を掴み、自宅最強の防御壁、**「本棚の、一番上の段の奥」へとねじ込んだ。背伸びをしながら、手前の漫画本をなぎ倒して無理やり押し込んだが、知ったことか。これが、ビビりな自称プロが行き着いた究極の防衛策、「物理的封印」**である。
「あ、今、棚の奥から押し返された気が……」なんていうお約束の嘘はつかない。ただ、指を離した瞬間の「もう自分でも取れない」という安心感は、この記事の中で唯一、盛っていない真実である。
結論:夢見里龍氏は、日常を奪う
完読してしまった今、私は確信している。
この本は単なる紙の束ではなく、現実の壁にヒビを入れる「感染媒体」だ。全編を脳内に取り込んでしまった以上、もう私の日常は元に戻らない(今夜から電気を点けて寝るのが確定したという意味で)。
…と、ここまで少しばかり「ホラーブログ的な盛り」を混ぜて書いたことは認めよう。だが、そうでもしないとやっていられないほど、この本が「面白かった」のもまた事実なのだ。
正直、私のこの怯えぶりが「単なる盛り」なのか、それとも「抗えない真実」なのか、あなた自身の目で検証してほしいのです。一人で深夜に本棚をチラチラ確認する虚しさは、共有してこそ報われると信じていますから。
【検証(という名の絶望)への入り口はこちら】

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